水色書架

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裏話-『勾鱗奇譚』その2

『勾鱗奇譚』の時代設定はもちろん現代が主軸です。ソウシの体のほうは現代に残されたまま、幽体として過去へといざなわれ、タイムスリップしたかのようになります。

SFなら、現代の者が過去に行って過去に関わったがために、未来が変わってしまうのではというパラドックスをはらんだ中でのドラマ展開がありますが、この小説では、ソウシはただ傍観している状態です。関わることはありません。ただ或る一場面を除いては。

そういう意味ではタイムスリップというより、泉の周辺に刻まれた遠い時代の記憶をソウシが霊視したというほうが近いでしょう。

一つの場面だけは、彼が手を貸したことになっていますが、そこは曖昧にしています。ヤエはソウシを見ていたのか、神を見ていたのか、そもそもソウシが霊視したのは超現実的なものであり、彼自身語るように、解釈はできても解明はできないのです。

ソウシが遡った時代については、幼いヤエが戦に巻き込まれたとの記述のみにして、明確には書きませんでしたが、天下統一される以前の戦国時代辺り、乱世による無秩序や戦があり怨念渦巻く時代と想定しています。そういう意味でも物の怪は多かったでしょうし、祈りも切実だったはずですので。

ヤエが持っていた大弓も、戦の跡地で拾ったもので、両親と里を出て旅をした頃から杖代わりにしてきたという設定です。本来なら、戦に関わった穢れた弓なのですけど、ヤエが禊に行くのにもずっと携えていたため、浄められたのですね。

後にその浄められた弓に弦を張り、ヤエは梓弓として神事に使うようになります。弓弦を鳴らして魔を除けるのは、紫式部の「源氏物語」で、夕顔の君が六条御息所の生霊に苦しめられたとき、源氏が家来に命じて弓を鳴らした場面からヒントを得ていました。ただし、ソウシ独自の魔除けの術と同様、ヤエが行う儀式も彼女独自のものです。


               
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ジャンル : 小説・文学
テーマ : 自作小説

[ 2013/06/07 10:15 ] 雑記 | TB(-) | CM(0)
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